高齢者の「てんかん」と認知症の違いを知ろう

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症状の違い

高齢者のてんかんと認知症は症状が似ていて、区別しにくいことがあります。
子どもにみられるてんかんでは、手足をがくがくさせるようなけいれん発作を伴うことが多いため同じ病名でも少し性質が異なるのです。
高齢者では複雑部分発作と言って、意識はないものの脳の神経が異常を起こして興奮する状態が脳の一部に限局しているため、見た目にはっきりわかるような子どものようなけいれん発作が見られないのです。
症状としては意識がないため発作が起きているときの記憶はなく、自動症といって無意識に起こす行動、例えば口をもぐもぐさせる、急に動きが止まるなどが見られます。
これは高齢者に側頭葉てんかんという自動症を特徴とするタイプが非常に多いためです。
両者に共通する症状として記憶障害がありますが内容に少し違いがあります。
てんかんの場合は発作を起こすようになってからの記憶は落ちるのですが、ずっと昔の若い頃の記憶はしっかり残っていることが多いです。
一方、認知症では脳の神経が全体的に萎縮し障害を受けてくるので自分の子供が誰なのか忘れるなど古い記憶も障害されます。

原因と治療

高齢者では転んで頭を打ったなどの外傷や脳梗塞や脳出血などの病気が先行して、てんかんを引きおこす率が高くなります。
一方、認知症はアルツハイマー型と脳血管型などに分けられます。
アルツハイマー型は脳にアミロイドβタンパクという物質が蓄積することが分かっていますが、その病的意義などはまだ明確にはなっていません。
脳血管型は先述の出血や梗塞が原因となります。
つまり、脳血管疾患はてんかんと認知症の両方を引き起こす可能性があるということになります。
てんかんは脳の神経細胞が異常に興奮することで起きる病気ですので抗けいれん薬が効果を発揮します。
医師の指示通りに内服すれば発作はかなり抑えられるでしょう。
高齢者に適した抗てんかん薬も発売されています。
一方、認知症の治療は日々進歩していますが、いまだに明確な原因もわかっていないため完全に治す治療方法はまだないと言えます。
ただし、病態の解明は進んできており脳内のアセチルコリンという神経伝達物質が減少していることが分かってきたのでこのアセチルコリンを脳内で増やすような薬が発売されています。